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真面目と阿呆




以前も言ったように妖狐は神使である。
神使とは読んで字のごとく、神の使いである。
妖狐以外にも様々な神使が存在しており、
二十の種族がいるという。

そしてその様々な種族の神使の代表が集まる時があり、
これを二十神使会議と言うようになったのは室町時代からだそうだ。
もっともその実態は会議とは名ばかりの慰労会なのではあるが。

この会議は一年に一度行われており、
集まる場所は持ち回りで担当することになっている。
そして今年は我ら妖狐族が招く番なのである。

そして今回の集いを完璧なものにするのが私、山城総太郎の役目なのである!


「よし、これもよし。あっちは……」

「三代目!これはあちらでよろしいでしょうか?」

「ああ、はい。お願いします」

「三代目……流石に慣れないな」


何故か私がこの稲荷の三代目になることが半ば事実として広まっている。
確かに二代目である叔父上に師事しているし、
私自身目指してもいるが、
私が三代目ということが決まっているわけではないのだが……。


「すまんねえ。君に任せっぱなしで」

「これは叔父上。いえ、これこそ弟子である私がやるべきことだと思いますので」

「ありがたいが……あまり無理はしないでおくれよ。
 私は君を預かっている身。何かあったら兄に申し訳が立たぬ。
 それに君にも大事な人がいるんだろう?」

「私が好きでやっていることですからご心配なされず。
 家族も納得してくれています」

「それならいいのだが……」

「はい。私にお任せを」


我らが妖狐の本拠地は京都である。
古来よりこの日本国の中心であり、
昔ながらの町並みも多く残す古都である。

その京都の地を代表する妖狐としては、中途半端な会などを開くわけにはいかないのだ!

だからこそ私はしかと準備をし、他の神使の方々を失礼の内容にお出迎えをする義務があると考える。


「三代目ー、そろそろ近場の神使の方々がいらっしゃるお時間ですよー」

「わかりましたー!こちらが終わり次第歓迎に向かいますー!」


二十神使は多種多様だ。
鼠や鯉、蜂や蟹などありとあらゆる方々をお招きするにあたり、食事などは特に気を付けなければならない。
牛の方に牛肉を出すなんてもってのほかであるし、
鶏の方に鳥肉を出すわけにはいかないのも当然である。

だからこそ各々の方にあったおもてなしを準備するのだ。
それが歓迎する側の礼というものだ。


「おや、ちょっと早かったかな」

「いえ、大丈夫ですよ。ようこそいらっしゃいました」


順々に神使の方々がやってくる。
流石に現代では獣の姿で集まるには目立ちすぎるので、人間に化けてやってくる。
皆、その種族の代表またはそれに準ずる方々ばかりであるので、粗相のないようにと気を張りっぱなしだ。


「やあやあ、お疲れ様」

「はい、ようこそいらっしゃいまし……はぁ!?」

「うむ、苦しゅうない」


思わず目を疑う。
うまいこと化けているようだがあれは……。


「お!ま!え!は!総次郎!」

「げ、こんなに早くばれるとは……流石は兄さんだなあ」

「流石は、じゃない!何をやっているんだ!」

「あははは……実は母上に様子を見に行けって言われちゃって……」

「母上に?」

「ああ、無理しすぎてないか見て来い、と」

「母上……」


何もかも御見通し、というわけだ。
やはりまだまだ母上には敵わないようだ。


「あーいたいた!」

「げ、白面ちゃん……」

「もう、何か騒いでるのが遠くからも聞こえたよ?また君が馬鹿なことやったんでしょ!」

「あはは、大したことは……」

「お兄さん本当にごめんなさい!止めようと思ったんだけどこの阿呆が……」

「いやいや、むしろいつもうちの愚弟の面倒を見てもらっちゃってこっちが謝らなきゃいけないぐらいで……」

「いえいえ……」

「いえいえ……」

「あのー、お二人さん……?」

「なんだ?この阿呆」

「なによ?この阿呆」

「なんで息ぴったりなの……。
 いやーその……ほら次のお客様が来られるなー、って……」

「おっと、そうだった。いかんいかん。
 白面くん、うちの阿呆を頼んだよ。それじゃ!」

「あ、はい!お兄さんもがんばってください!」


なんだかんだで弟も私を心配してくれたのだろうということは十分に伝わった。
少しは緊張もほぐれたように思う。

弟に心配されるようでは私もまだまだか……。


「皆さん、おまたせしました。
 本日は遠路遥々、京都まで足を運んでいただきありがとうございます。
 それでは二十神使会議、始めさせていただきます!」


まだまだこの会議に列席できるほどの力量が自分にあるとは思えない。
それでもいつかは……と頑張ることを無駄だとは思わない。



私もいつしか偉大な父上の跡を継ぐのだから!

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